VOL.8「すくすく」~産後をすこやかに過ごすためにできること~助産師さんからのアドバイス

『産後をすこやかに過ごすためにできること』


出産を終え、新しい家族として赤ちゃんを迎え、新たな生活がスタートしますね。
ママや赤ちゃん、そして家族もその変化に少し戸惑いがあるかもしれませんが、周りのサポートを得ながら少しずつ慣れていきましょう。
子育ては決してひとりでするものではありません。

家族や友人、地域の人の手を借りながら、また社会のサポートを得ながらしていくことで、ママにとっても赤ちゃんにとっても子育てが素晴らしい時間だったと感じることができるようになります。
子育ては過ぎてしまわないとその価値になかなか気づくことができなかったりもしますが、本当に豊かで学び多き時間です。
今の時代、わたしたちはこのコロナ渦の中にいて、いかに自分の身体が健康であるかが大切なことに気づいた方も多いのではないでしょうか?
産後はまだ身体が出産のダメージからの回復過程であったり、睡眠不足や食事も簡単なもので済ませたりとすることがあるなかで、産後を健やかに過ごすためにできることをお伝えしたいと思います。


食べるものや過ごし方など、日々の暮らしの積み重ねは今の生活に影響しています。

健康の土台は日々の暮らし、特別な何かをするのではなく、日々の暮らしを見直すところからまずは始めてみましょう。
食事をすることや寝ることは、私たちの生理的欲求で生命を維持するためにとても大切なものです。まずはここを満たしてあげることで、心も安定して過ごせるようになり、産後うつの予防にもなってきます。


■食事について

食事は私達の身体を作っているものです。普段している食事は健康に生活していく上で大切なものとなります。
赤ちゃんはママの食べる食事から、母乳を通して家庭の味を覚えていきます。

そして、普段親が食べているものや嗜好パターンは、そのまま子どもの摂る食事となります。3歳までの食生活が生涯にわたる身体や味覚の基本的なパターンを決めると言われているので、親が食べる食事は今から整えておきたいところです。
しかしながら、赤ちゃんを中心とした生活をしていると、どうしても自分の食事が後回しになったり、おろそかになりがちです。
日本人には日本人の体質に合った和食がおすすめです。ご飯・味噌汁・漬物といった和食の3点セットで栄養が摂れるようにしてみましょう。

ご飯は雑穀米や分つき米に胡麻塩をふったり、ちりめんのふりかけをかけたり、梅干しを添えたり、だしが効いた旬の野菜たっぷりの味噌汁を飲めば栄養満点です。

お味噌汁に入れる具は、鉄分やタンパク質を摂れるようなものを入れると、産後の貧血予防や産 後うつの予防にも良いと言われています。
とは言え、作る時間と体力がない、という場合には、食事を作るということを一度手放し、家族にお願いしたり、料理代行などのサポート得るのも良い機会です。


■睡眠について

 新生児の時期の赤ちゃんは、だいたい18時間ほど眠ると言われています。

しかしながら、赤ちゃんは細切れで眠るため、そんなに眠っているような気はぜず、どちらかというとママは慢性的に睡眠不足な状態です。

睡眠不足が続き疲労が蓄積していくと、頭痛や身体のだるさなどの症状として出てきたり、産後 うつのリスクともなってきます。
朝日が登ったら起き、夜暗くなったら眠る、という自然のリズムに合わせて眠ることが難しい時 期ですが、睡眠は身体を休息させリラックスする時間です。
母乳育児中は、プロラクチンやオキシトシンというホルモンが分泌されます。 これらは、母乳分泌を促進する以外に、身体をリラックスさせ眠りを誘ってくれるホルモンでもあるので、短時間でもぐっすりと眠ることができ、体力を回復させてくれます。
赤ちゃんが眠っている時間は、スマートフォンを触ったり、家事を今のうちにしておこうという気持ちになるかもしれませんが、赤ちゃんと一緒に横になって休むことを優先してみましょう。短時間の睡眠を積み重ねることでも休息の効果はありますよ。

ママの睡眠時間を確保するためには、全てを自分でしようと抱え込まないことがとても大切です。少しくらい部屋が汚れていても、洗い物や洗濯物が残っていても大丈夫です。疲れていると感じたり、眠たいときにはまず眠ること。そうすれば身体も心も元気を取り戻してくれます。


健やかに過ごすために出来ること、それは産後だけに限らず生活の中で土台となっている部分を整えることです。
私達の身体には、自己治癒力があります。 病気になるのを不安に思ったり恐れるのではなく、まずはどうやったら病気にならずに健康に過ごせるのか考えながら生活をしてみましょう。
そして、普段から家族や周りの協力体制を整えておくことで、あなたが子育てをする上での強力なサポーターとなってくれることと思います。お互いに「ありがとう」の感謝      の言葉を伝え合うことはお忘れなく。

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【産前産後サロン 助産院あいのわ】 助産師 シャノン香織さん(倉敷市)

​新生児蘇生「専門」コース修了
ベビーリンパケアインストラクター
ベビーマッサージセラピス
産前産後エクササイズインストラクター

倉敷市真備町生まれ。2児のママ。助産師歴20年、1000件以上の出産に立ち会う。
倉敷市内の総合病院・個人病院に勤務後、2019年に自宅にて「産前産 後サロン 助産院あいのわ」を開業。
『ココロオドルほどのしあわせな出産・しあわせな母乳育児をしよう』をコンセプトに、 病院や産院・クリニックなどに受診している方のもうひとつの相談場所。
 ".かかりつけ助産師"として妊娠・出産・育児を機に ”自分らしく健やかに生きる” をサポートしています。 ​ すべてを包み込んでくれる柔らかな笑顔と語り口調に「話すだけで心スッキリ!」「ゆったり安心する」たくさんママから支持されている助産師さんです。

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